"美味しいコーヒーをお届けしたい"
その一心で、目と手を動かす
富田屋では、お買い上げいただいた全てのコーヒー豆について、焙煎前・焙煎後の2回、ハンドピック(悪い豆や異物を手で取り除く作業)を行います。
どんなに良い豆にも、不良豆は混じります
コーヒー豆は農作物です。工業製品のように均一のものが出来るわけではありません。
私たち販売者の手元に届く生豆には、わずかではありますが、次のような不良豆が混じっています(豆の種類にもよりますが、平均的には全体の3~4%ぐらいと思われます)。
- 黒豆
- 醗酵が進み、腐敗して黒ずんだ豆。異味や異臭の原因になります。
- カビ豆
- カビの生えてしまった豆。
- 虫食い豆
- 蛾の幼虫が食べた豆。内側にカビが生えていることもあります。
- 発育不良豆
- 表面にしわの入った、緑色の未熟な豆。
- 死に豆
- 正常に結実しなかった豆。焙煎しても色がつきにくく、白っぽく焼き上がるため見分けやすいです。
- 貝殻豆
- 貝殻のような形をした奇形の豆。薄いので焦げやすく、煎りムラの原因になります。
- コッコ
- 乾燥したコーヒーの実が付いた状態の豆。脱穀不足が原因です。
悪い豆が一粒混じると、コーヒーの味は変わってしまう
こうした不良豆が混じったコーヒーを焙煎すると、不快な味(渋味やえぐみ・苦味など)や臭いが出てしまいます。
またコーヒーを焙煎した後には、煎り過ぎた豆や、煎り切れなかった豆がいくらか出てきますが、これらもコーヒーの繊細な風味を損ねます。
そこで富田屋では、コーヒー豆の焙煎前と焙煎後にハンドピックを行い、不良豆を一つ一つ探し出しては手で取り除いているのです。
“良い豆を使っているなら、ハンドピックの必要はないのでは?”そう言われる方もあります。
ですが、コップの水が一滴のミルクで白濁するように、わずかでも不良豆が混じると、コーヒーの味は全体が濁ってしまうのです。
1キロの生豆に10分、焙煎後にまた10分。
ハンドピックに手間と時間をかけるのは、美味しいコーヒーを皆様にご提供する珈琲屋として当然のことと考えております。
ハンドピックの流れ
ハンドピックの基本的な手法は、生豆でも焙煎後のコーヒー豆でも一緒です。
豆をざるに広げる
コーヒー豆を、ざるの上に平らに広げます。
不良豆を取り除く(焙煎前)
広げた豆の中から不良豆を探し、一つ一つ取り除きます。 焙煎前(生豆の状態)に発見しやすいのは「黒豆」や「虫食い豆」などです。まれにコーヒー豆以外の異物(石やコンクリート片、枝葉、穀類、ガラス、糸など)が入ることがあります。ミルを壊す原因にもなりますので注意が必要です。
不良豆を取り除く(焙煎後)
焙煎後は「死に豆」や、発酵臭の原因になりうる白っぽい豆が発見しやすいです。何度も焙煎され炭化したコーヒー豆が出てくることもあります。